目次
はじめに
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Misr Spinning and Weaving Companyとは？
先日、エジプト製造業の成長についてご紹介しました。
参照：エジプト失業率が歴史的低水準へ！急拡大する製造業が牽引する新成長局面！
今回は、その製造業の象徴とも言える 「エジプト最大の工場」 について解説していきます。
現在、エジプト国内で最大規模を誇り、さらに「世界最大級の紡績・織布工場プロジェクト」として巨額の投資が進められているのが
Misr Spinning and Weaving Company（ミスル紡績・織布会社） です。
この巨大プロジェクトの概要は以下の通りです。
概要
- 所在地：エジプト・ナイルデルタ地方、 El Mahalla El Kubra（ガルビア県）に本拠を構える大手国営紡績・織布企業。
- 設立年：1927年。
- 所属： Holding Company for Cotton, Spinning, Weaving and Garments 傘下の国営企業。
- 従業員数・規模：2万5千人以上の従業員を抱える、エジプトでも最大級の工業施設。
歴史・沿革
- 創設当初、エジプトの実業家および銀行（Misr Bank）との協力により設立。
- 設立後、紡績・織布の両工程を整備し、国内の綿・繊維産業の中心的役割を担う。
- 最近では、同社敷地内に「世界最大級」とされる一連の最新鋭工場を建設・運用開始中。「紡績工場1（Spinning Factory 1）」では、1棟に18 万台以上の紡績機（スピンドル）を設置。
工場・生産能力・製品
- 製品：綿糸（yarn）、布（fabric）、衣服（garments）、タオル、リネン類など。
- 新工場概要：例として、最新の紡績工場が「1日30トン糸を生産可能」な規模で、18万台超のスピンドルを備えている
- 輸出実績：近年、同社は輸出額20 百万ドルを達成。
社会・政治的意義
- 労働運動の舞台：この工場および地域での大規模なストライキ・抗議運動が、エジプトの政治・社会変動に影響を与えたことが指摘されています。
- 地域経済の核：エジプトの繊維産業の中心として、地域雇用・産業構造に大きな影響を与えています。
最近の動向・注目点
- 「世界最大級」の工場稼働：約50 億エジプトポンド（建設・設備費）規模で紡績・織布施設を刷新・拡張中。
- 国のトップによる視察：2024年末、エジプトの首相がこの会社の工場を視察、産業開発・再活性化の象徴として位置付けられています。
製造業が大きな雇用を生む
『Misr Spinning and Weaving Company』のような大規模工場は、エジプト国内に他にも多数存在しており、工場がどれほど『膨大な雇用』を生み出す装置であるかがよく理解できます。
そして、この『雇用の創出』こそが、国家成長において最も重要な基盤なのです。
雇用が生まれれば、労働者には給料が支払われ、その所得は消費へと回ります。100人規模の話であれば経済波及効果は限定的ですが、エジプトの人口は1億人。母集団が圧倒的に大きいため、雇用改善がもたらす消費拡大のインパクトは非常に大きくなります。
事実、現在エジプトの失業率は低下を続け、直近では 6.4% と戦後最低水準 に到達しました。これは裏を返せば、より多くの国民が給与を得ているということであり、その所得が国内で消費として循環し、さらに経済成長を押し上げる好循環が生まれているということです。
そして、それは不動産価格にも大きく影響をしてきます！
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