Vol.1651:バトゥミ自由産業区(FIZ)徹底解説|税制優遇とインフラ投資で注目の黒海沿岸都市

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

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バトゥミが黒海の覇者となれるのか?

ジョージアの西、トルコの国境近くの黒海に面した場所には『バトゥミ』と言う街がございます。



今、この場所にはアジアから船が多く流入しており、ヨーロッパへの玄関口となっています。




アジア地域で生産された物が、船でバトゥミまで運ばれ、陸揚げされた荷物は、陸路でヨーロッパへと運ばれています。ヨーロッパへの玄関口の1つに『バトゥミ』が入っているわけです。

そのこともあり、政府も民間企業もこのバトゥミに積極的に投資を行い、開発を行っております。

バトゥミの開発プロジェクト

一部、バトゥミで行われている主要な開発プロジェクトをご紹介させて頂きます。

1. 多目的カーバミド・ターミナルの開設

2021年、バトゥミ港に多目的ターミナルが開設されました。このプロジェクトは、アメリカ、ウズベキスタン、ジョージアの共同投資により実現し、中央アジアから欧州への肥料輸送の効率化を図っています。 

2.ドバイ資本による人工島と港開発

ドバイ最大の開発会社であるEmaar Propertiesは、ジョージアのトビリシとバトゥミで総額60億ドルの投資を発表しました。バトゥミでは、人工島や新たな港湾施設、カジノの建設が進行中であり、観光客の増加に伴い空港の拡張も計画されています。 

3.バトゥミ・バイパス道路プロジェクト

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の支援を受け、バトゥミと内陸部を結ぶ新たな高速道路の建設が進められています。この道路は、山岳トンネルを含むルートで、物流の効率化と地域経済の活性化を目的としています。  

これらのプロジェクトからもジョージアの政府の意図がよく分かると思いますが、力を入れている主な投資は2つです。

・多くの船が流入できるように港の拡張投資
・欧州への物流をスムーズに行えるように陸路のインフラ投資


この2つへ積極的に官民の資金を入れることで、黒海の覇者を目指しているわけです。

さらに、この2つを加速させるために、インフラ投資だけではなく、税制のメリットもジョージア政府は設けています。

バトゥミ自由産業区(Batumi Free Industrial Zone, FIZ)

ジョージアの黒海沿岸都市バトゥミには、バトゥミ自由産業区(Batumi Free Industrial Zone, FIZ)が設置されており、国内外の企業に対して税制優遇や簡素な手続き環境を提供しています。このゾーンは、ジョージア政府の経済自由化政策の一環として整備され、特に製造業や貿易業、物流業を中心に、外国直接投資(FDI)の誘致を目的としています。

バトゥミFIZに登録された企業は、以下のような大幅な税制優遇を受けることができます

  • 法人所得税:0%
  • 付加価値税(VAT):0%
  • 配当税:0%
  • 不動産税:0%
  • 輸入税:0%
  • 輸出税:0%

簡単に言えば、バトゥミFIZに登録された企業は全ての税金が0%のタックスヘイブンだと言うことです。これらの優遇措置は、製造、加工、サービス提供などの活動に従事する企業に適用され、特に輸出志向のビジネスにとって魅力的な内容になっています。

投資が遅れている空のインフラも整備へ

ジョージア政府は、海と陸のインフラ投資を急いだこともあり、現在のバトゥミは空港への投資が遅れています。しかし、投資を全く行っていないわけではなく

【2021年のターミナル拡張工事】

  • 投資額:1,700万米ドル
  • 完成時期:2021年3月
  • 主な成果
    • ターミナル面積を4,000㎡から8,000㎡に倍増
    • 年間旅客処理能力を60万人から120万人に拡大
    • チェックインカウンターを8基から14基に増設
    • パスポートコントロールブースを12基から20基に拡充
    • 荷物処理エリアの自動化と新しいコンベヤーシステムの導入
    • 免税店、ビジネスラウンジ、駐車場の拡張
    • 建設期間中、約300人の地元労働者を雇用

この拡張工事により、バトゥミ空港はジョージアと北東トルコの国際ゲートウェイとしての役割を強化しました。

さらに今年は

【2025年の追加インフラ整備計画】

空港運営会社TAV Georgiaは、2025年にさらなるインフラ整備を計画しており、1,250万GEL(約450万米ドル)の投資が予定されています。

ターミナル関連の改善 

  • 旅客受付エリアの拡張:既存の受付ゾーンに新しい建物を統合し、空港運営および商業機能を支援するオフィススペースを提供
  • 到着エリアのパスポートコントロール拡張:乗客の流れを円滑にし、効率を向上
  • 新しいターミナルスペースの追加:以前は半屋外だったエリアに新たなターミナルスペースを設置

エプロンおよび滑走路の整備

  • 航空機駐機エリアの拡張:8,200㎡の拡張により、ICAOコードCの中型機9機とヘリコプター1機を同時に収容可能
  • 舗装面の修復:14,000㎡の損傷した舗装面の修復作業
  • 滑走路の再舗装:重要なゾーンで45,000㎡の再舗装を実施

これらの改善は、急増する旅客数に対応するための投資となっています。

と、こんな感じで空港整備も投資を行っています。

まとめ

バトゥミ自由産業区(Batumi Free Industrial Zone, FIZ)は、製造業だけでしょ?と思っている人も多いのですが、実はそんなことはなく

・中小のIT企業
・中小のサービス企業

も登録が可能です。
具体的にどんなサービスを展開している企業が登録されているのか?と言うと

サービス業では:
・法律
・会計
・教育
・マーケティング
・BPOなど

IT、テクノロジー関連企業では:
・ソフトウェア開発会社(Web・モバイル・業務システムなど)
・データセンター運営会社
・クラウドサービス提供者
・サイバーセキュリティやAI関連企業など

などの企業が多く登録されており、タックスヘイブンの恩恵を受けています。

もちろん、これはペーパーカンパニーでは認可されませんので

『ジョージアに移住をしてちゃんと人を雇用しビジネスを行う』必要はありますが

私達はこの分野は、今後、バトゥミでかなり伸びると見ており、それは不動産価格にも大きく影響をしてくると見ています。

バトゥミ自由産業区(Batumi Free Industrial Zone, FIZ)でビジネスをしたい方は、お気軽に弊社にご相談を頂ければと思います。

ジョージアで唯一、日本語で会計事務所を行っている会社になります!!

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