Vol.1833:コーカサスの小国が暗号資産のハブへ!ジョージアVASPライセンスの戦略的価値

〇この記事を読むのに必要な時間は約6分です。

埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

現在、Meti Lux Partners(メティラックスパートナーズ)のジョージアオフィス(会計事務所)では、下記のサービスを提供をしており

・法人の登記サポート
・税務、会計サポート
・銀行口座開設サポート
・移住サポート(ビザの取得)
・不動産の仲介、賃貸管理


弊社はジョージアの銀行口座開設を完全に郵送で行い、8年以上サポート(2017年にサポート開始)してきた実績があります!

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ジョージアに注目が集まる!

前回、ジョージアの暗号通貨ビジネスについて記事を書かせて頂きましたが

参照:Vol.1832:ジョージアで暗号通貨ビジネスを始める

欧州のMiCA規制が本格施行され、ドバイのVARA基準が高度化する昨今、コーカサス地方の小国ジョージアが暗号資産ビジネスの新たな拠点として注目を集めております。2023年7月に施行されたVASP(仮想資産サービスプロバイダー)登録制度は、コンプライアンスの透明性をしっかりと担保しながらも、スタートアップから中堅事業者の皆さまにとって参入しやすい、現実的なコスト構造を提供しています。

なぜジョージアなのか——6つのメリット

メリット1:最低資本金なし(LLC形態)

LLC設立の場合、最低資本金の規定がございません。JSC形態では10万ラリ(約5万ドル)が必要となりますが、多くのスタートアップはLLCで十分対応いただけます。

メリット2:エストニア型の法人税構造

配当分配時のみ15%の課税となります。留保利益には課税されないため、再投資型の事業構造をお考えの方に特に親和性の高い制度です。FIZ(自由産業区域)ではさらなる税優遇もご活用いただけます。

メリット3:迅速な法人設立

会社設立は最短1〜2営業日で完了いたします。FIZ内ではVASP承認が会社登録後2〜3日で下りるケースもございます。EUや米国と比較して、圧倒的なスピードで事業開始が可能です。

メリット4:1ライセンスで複数サービス

1つのVASPライセンスで取引所・カストディ・送金・ポートフォリオ管理・ICOサポートをカバーできます。複数のライセンス取得にかかるコストと手間を大幅に削減いただけます。

メリット5:FATF準拠・国際的信認

NBG(ジョージア国立銀行)が監督機関を務めております。FATF基準に準拠しており、EU MiCAとの互換性も意識した設計となっているため、国際的なパートナーシップ構築においても信頼性の高い基盤となります。

メリット6:FIZによる追加優遇

トビリシ・フアリン・ポティの自由産業区域にご登録いただくことで、固定資産税免除・VAT免除・資本の自由送金・ライセンス更新料なしといった特典をご活用いただけます。



ジョージアのVASP制度が際立っている点は、規制の「有無」ではなく「バランス」にあります。無法地帯でもなく、MiCAのような過剰規制でもない——こうした中道的なポジションこそが、ライセンスの信認と参入コストの両立を実現しています。

主要ジュリスディクションとの比較



ドバイのVARAは豊富な金融インフラと高い国際的プレゼンスを誇る一方、参入障壁とコストは相応に高く設定されています。ジョージアはその「廉価版」ではなく、規模感の異なる事業者の皆さまに向けた独自のポジションを確立しております。

留意すべきコンプライアンス要件

もちろん、メリットばかりではございません。ジョージアVASPには厳格なAML/KYC義務が課されます。1,000ドル(または3,000ラリ)以上の取引にはCDD(顧客デューデリジェンス)の実施が求められ、疑わしい取引については金融監視サービス(FMS)への報告が義務付けられています。また、ジョージア国内に取締役(居住者)を置き、その方がコンプライアンス責任者を兼務する形態が一般的です。2024年6月に施行された罰則規定により、違反にはライセンスの停止・取消しを含む制裁が科される点も、十分にご認識いただく必要がございます。

戦略的考察——どのような事業者に向くか

ジョージアVASPが最も適合するのは

①欧州MiCAほどの重い規制対応は不要でありながら、無規制地帯のリスクは回避されたい事業者
②コスト効率を重視する中規模の取引所・カストディ事業者
③ドバイや香港でのライセンス取得前の足場として活用されたい方々

です。

一方、大規模な機関投資家向けサービスや欧州市場へのパスポート取得を目指される場合は、MiCA対応の別途ご検討が現実的な選択肢となります。

フィンテック・スタートアップの世界では、「規制の裁定」そのものがビジネスモデルになり得る時代となっております。ジョージアは、コーカサスという地政学的な辺境に位置しながらも、デジタル資産規制における「第三の道」を提示しています。その価値は、単なるコスト計算にとどまらず、グローバルなライセンス戦略の中で俯瞰的にご評価いただく価値があるものと存じます。


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