目次
はじめに
現在、Meti Lux Partners(メティラックスパートナーズ)のジョージアオフィス(会計事務所)では、下記のサービスを提供をしており
・法人の登記サポート
・税務、会計サポート
・銀行口座開設サポート
・移住サポート(ビザの取得)
・不動産の仲介、賃貸管理
弊社はジョージアの銀行口座開設を完全に郵送で行い、8年以上サポート(2017年にサポート開始)してきた実績があります!
ジョージア銀行口座開設はこちら
なぜ今、ジョージアなのか?
コーカサス地方に位置するジョージア共和国は、近年、暗号通貨・フィンテック分野の新興拠点として急速に注目を集めています。2023年にVASP(仮想資産サービスプロバイダー)規制が正式に整備されて以来、BinanceやCryptalをはじめとする国際的な暗号資産取引所が相次いでジョージアにライセンスを取得しています。
🇬🇪ジョージアが選ばれる5つの理由
| メリット | 詳細 | |
| 1 | 超低コスト参入 | LLC形態では最低資本金の定めなし。EU(MiCA)の€125,000と比較して圧倒的に参入障壁が低い |
| 2 | 税制上の優遇 | 法人税は利益分配時のみ15%課税(エストニア方式)。未分配利益には課税なし |
| 3 | 個人の暗号税ゼロ | 個人の暗号通貨取引・売却益は所得税免除。暗号⇔法定通貨の交換にVATも非課税 |
| 4 | 迅速な法人設立 | 会社設立は最短1〜2営業日。VASP審査を含めても全体3〜8ヶ月で事業開始可能 |
| 5 | FATF基準適合 | 2024年2月にFATF基準適合をMONEYVALが確認。国際的な信頼性あり |
VASPライセンスとは何か
ジョージアにおけるVASPライセンスは、仮想資産に関するサービスを合法的に提供するための許可証です。ジョージア国立銀行(NBG)が監督機関であり、2023年7月1日施行の令第94/04号に基づいて登録制度が運営されています。
▪️ライセンスでカバーされるサービス範囲
| VASPライセンスの対象業務(令第94/04号・第10条) | |
| 取引所業務 | 仮想資産⇔法定通貨、仮想資産⇔仮想資産の交換(キオスク形式を含む) |
| 送金・移転 | 仮想資産の送金サービス、グローバルトランスファー |
| 保管・管理 | 仮想資産のカストディ(保管・管理)、アクセス権管理 |
| ポートフォリオ管理 | 仮想資産の個別ポートフォリオ管理(集合的運用は除く) |
| 取引プラットフォーム | 仮想資産取引プラットフォームの運営・管理 |
| ICO/STO | 転換可能仮想資産の新規コインオファリング・関連サービス |
| 貸付 | 転換可能仮想資産の貸付サービス |
▪️ライセンス不要のケース
✅暗号通貨マイナー(個人・法人を問わず採掘のみ行う事業者)
✅自己の資産のみを運用する個人トレーダー
✅Web3開発者・DAOで自社サービスの対価としてのみ暗号通貨を受領する事業者
✅自社の商品・サービスの決済手段として暗号通貨を受け入れるだけの小売業者
ライセンス取得の要件
VASPライセンス申請には、法人設立要件、コンプライアンス体制、フィット&プロパー基準の3つの柱があります。以下に詳細を整理します。
法人設立要件
| 法人形態と資本要件 | |
| 法人形態 | 有限責任会社(LLC)または株式会社(JSC)のいずれか |
| LLCの最低資本金 | 規定なし(理論上1ラリでも可) |
| JSCの最低資本金 | 100,000ジョージアラリ(約35,000 USD)。設立時に25%以上の払込が必要 |
| 株主・取締役 | 外国人可。1名の株主と1名の取締役を兼任可能(ただし単一株主の場合は取締役2名が必要) |
| 代表者の現地滞在 | 代表権を持つ者の少なくとも1名が、暦月ごとに14日以上ジョージア国内に滞在すること |
| 事務所 | ジョージア国内に主たる事務所を設置すること(賃貸契約書の提出が必要) |
| 兼任制限 | 同一グループ会社でない限り、複数のVASP取締役を兼任することは禁止 |
AML/KYCコンプライアンス要件
ジョージアのVASPは、AML法上の「義務対象事業者」として位置付けられます。2024年6月制定の罰則規定では、違反時に最大20,000ジョージアラリ(約7,400 USD)の罰金が課されます。
| AML/CFTコンプライアンスの主要要件 | |
| KYC義務 | 顧客の氏名・パスポート・住所等の確認。高リスク顧客には強化デューデリジェンス(EDD)を実施 |
| 取引閾値 | 1,000 USD/EUR以上または3,000ジョージアラリ以上の取引にCDD/EDD義務が発生 |
| 疑わしい取引報告 | 財務モニタリングサービス(FMS)への疑わしい取引報告(STR)の提出義務 |
| ウォレットスクリーニング | 制裁リスト・ブラックリストへのウォレットアドレスのスクリーニング実施 |
| 内部AMLポリシー | 顧客デューデリジェンス、継続的モニタリング、記録保持に関する内部規程文書 |
| 内部監査機能 | AML法令の遵守状況を確認する内部監査体制の整備 |
| 匿名コイン禁止 | Monero等の匿名性の高い仮想資産の取扱い禁止 |
| トラベルルール | 2025年から導入。仮想資産の送受信双方の顧客情報の付与義務 |
申請プロセスとスケジュール
VASPライセンス取得のプロセスは大きく4つのフェーズに分かれます。ゼロからの立ち上げで全体3〜8ヶ月が目安です。
| Step 1 | 事前準備・書類収集(1〜2週間) パスポート・履歴書等の個人書類、事業計画書(3年間の財務予測)、AMLポリシー草案、組織図の作成。外国語書類はアポスティーユ取得後にジョージア語翻訳が必要 |
| Step 2 | 法人設立(1〜2営業日) ジョージア法務省公共登録国家庁(NAPR)にてLLC/JSCを登録。会社名、定款、取締役・株主情報を提出。外国人でもリモート対応可 |
| Step 3 | コンプライアンス体制整備(2〜4週間) AML/KYCポリシー文書の完成版作成、取引モニタリングシステムの導入、事務所の監視カメラ設置(30日分の映像保存義務)、コンプライアンス担当者の任命 |
| Step 4 | NBGへのVASP登録申請(2〜6ヶ月) ジョージア国立銀行(NBG)にオンラインで申請。審査中に追加書類の提出を求められる場合がある。承認後、公開VASPレジスタリーに登録 |
提出が必要な主要書類チェックリスト
| 書類名 | 備考 |
| 法人登記証明書 | ジョージア公共登録国家庁発行 |
| 定款・会社設立文書 | ジョージア語翻訳版も必要 |
| 株主・取締役のパスポート | 全株主・全取締役分 |
| 取締役・管理者の履歴書(CV) | 経歴・専門知識の証明 |
| 事業計画書(3年財務予測付き) | 提供サービス、ビジネスモデル、収益予測を含む |
| AML/CFTポリシー文書 | リスクアセスメント、KYC手順、疑わしい取引対応手順等 |
| 組織図 | 役職・人員数・今後の拡張計画を含む |
| 事務所の賃貸契約書 | 使用権を証明する書類 |
| 財務健全性の証明 | 銀行残高証明書または監査報告書 |
| コンプライアンスアンケート | NBGが公表している様式(2023年8月版)に従い記入 |
費用の全体像
| VASPライセンス取得にかかる費用(目安) | |
| 国家登録手数料 | 1,500〜5,000ジョージアラリ(約550〜1,850 USD)※情報源により異なる |
| 法人設立費用 | 数千USD程度 |
| 翻訳・公証費用 | 約1,000〜2,000 USD(外国文書のアポスティーユ、ジョージア語翻訳) |
| 法律・コンサルティング費用 | 5,000〜30,000 USD(専門家に依頼する場合) |
| 事務所賃貸(年間) | トビリシ市内で年間数千 USD程度から |
| AML/コンプライアンスシステム | 年間10,000〜20,000 USD程度(モニタリングツール、監査費用等) |
| 銀行口座・EMI費用 | 年間3,000〜7,000 USD程度(暗号資産事業者向け口座は制限多く、EU-EMI等を利用) |
| 比較:EU(MiCA) | 最低資本金125,000 EUR以上+ライセンス費用80,000〜120,000 USD |
他管轄との比較
ジョージアのVASP制度を、他の主要暗号資産ライセンス管轄と比較します。
| 項目 | ジョージア(VASP) | UAE(VARA) | EU(MiCA) | 英国(FCA) |
| 最低資本金 | LLC:不要、JSC:約35,000 USD | 10万 AED~ | 125,000 EUR以上 | 25万~50万 GBP |
| ライセンス費用 | USD 1,500~5,000程度 | USD 5万~10万超 | 高額 | USD 8万~12万 |
| 審査期間 | 3~8ヶ月 | 6~18ヶ月 | 長期 | 9~15ヶ月 |
| 法人税 | 0%(未分配利益)/ 15%(分配時) | 9%(連邦) | 各国税率 | 25% |
| 外資100%所有 | 可 | 可(一部制限) | 可(EU法人要) | 可 |
注意すべき落とし穴
ジョージアのVASP制度は参入障壁が低い一方で、見落とされがちなリスクや注意点もあります。
実務上の注意点
⚠ 銀行口座開設の難しさ:ジョージアの地場銀行は暗号資産事業者への口座開設に消極的。EU系EMI(電子マネー機関)の活用を検討すること
⚠ 書類の翻訳・公証:外国語書類はすべてアポスティーユ取得後、ジョージア語翻訳・公証が必要。2〜4週間の追加時間と費用が発生
⚠ 代表者の滞在義務:代表権を持つ者の月14日以上の滞在は見落とされやすい要件。リモート運営のみを想定している場合は要注意
⚠ 重大株主変更の届出:10%以上の株式取得・移転時にはNBGへの事前届出が必要
⚠ マネーロンダリングの罰則強化:2024年6月の罰則規定施行により、KYC/AML違反には最大20,000ラリ(約7,400 USD)の罰金のほか、ライセンス停止・取消も
⚠ トラベルルール対応(2025年〜):仮想資産の送受信双方の顧客情報付与が義務化。システム対応コストを見込むこと
取得後の継続的義務
| ライセンス取得後の主な義務 | |
| 定期報告 | NBGおよびFMS(財務モニタリングサービス)への定期的な活動報告の提出 |
| 疑わしい取引報告 | 疑わしい取引を検知した場合、FMSへの即時報告義務 |
| KYC継続管理 | 既存顧客の定期的なKYC情報更新と記録保持 |
| 内部監査の実施 | AMLポリシーの遵守状況を確認する定期的な内部監査 |
| NBGとの情報共有 | NBGからの問い合わせへの対応と透明性の維持 |
| 変更届出 | 会社の組織変更、サービス内容変更、主要株主の変更等を都度届出 |
| スタッフ研修 | 従業員に対するAML/CFT研修の定期実施 |
自由産業地帯(FIZ)という選択肢
通常のVASPライセンスのほかに、トビリシ自由産業地帯(FIZ)での特別認可という選択肢もあります。
| 比較項目 | 通常VASPライセンス | FIZ(自由産業地帯)認可 |
| 税制 | 法人税15%(分配時) | 税制優遇あり(タックスフリー) |
| 適用対象 | 国内・国際両方 | 国際事業者向け |
| コンプライアンス要件 | 標準的なAML/KYC義務 | 比較的軽い規制 |
| 費用 | 低コスト | 資本・雇用の最低要件あり |
| 向いているケース | 国内市場も狙うプロジェクト | 完全オフショア型の国際事業 |
まとめ:ジョージアVASPライセンス取得のポイント
ジョージアのVASPライセンス制度は、2023年に本格整備されたばかりでありながら、FATFのAML/CFT基準を満たした実用的な規制環境を提供しています。EU(MiCA)や英国(FCA)等と比較して、最低資本金ゼロ(LLC)、国家手数料数千USD以内、3〜8ヶ月の審査期間という優位性があります。
取得成功のための3つのポイント
①現地の専門家(弁護士・会計士)を活用する:書類翻訳・NBG対応・AMLポリシー作成等、現地語対応が必要な業務は多い。早期から専門家チームを組成することがコスト最適化につながる
②AML/KYCポリシーの作り込みを最優先に:ライセンス審査の核心はコンプライアンス体制の充実度。内部ポリシー文書に時間と費用を惜しまないこと
③銀行口座戦略を事前に立てる:ジョージア地場銀行への期待を持たず、EU系EMIとの提携交渉をVASP申請と並行して進めること
弊事務所によるVASPライセンス取得サポート
当事務所(会計事務所)では、ジョージアにおけるVASPライセンス取得の全工程をワンストップでサポートしています。法人設立、AML/KYCポリシー文書の作成、NBGへの申請代行、銀行口座開設支援、取得後のコンプライアンス維持まで、豊富な実績をもとに日本語でご支援いたします。まずはお気軽にご相談ください。相談無料。
最新情報を見逃さないためにも、ぜひブログの通知が届く『MLP公式Line』へのご登録をお願いします。
