
MLP INVESTOR COLUMN | GEORGIA
「ステーブルコイン」という言葉は、もはや暗号資産に詳しい人だけのものではなくなりました。ドルや円に価値を固定したデジタル通貨は、送金・決済・資産保全の新しいインフラとして、世界の金融の主役へと駆け上がっています。
ところが──それを「合法的に発行できる国」は、世界でまだ一握りです。そして多くの国では、発行できるのは大銀行や大手金融機関に限られています。そんな中、弊社がサポートするジョージアは、資本金GEL50万・民間企業でも発行できる、世界でも最も参入しやすい部類の枠組みを2026年に整えました。本稿では、世界の発行可能国を整理したうえで、なぜ今ジョージアなのかを解説します。
目次
ステーブルコインを「合法的に発行できる国」は、実はまだ少ない
2025年から2026年にかけて、世界の主要国はステーブルコインを「野放しの暗号資産」から「規制された決済インフラ」へと位置づけ直しました。裏付け資産の全額保有、いつでも額面で払い戻せる償還権、そして発行体への直接監督──主要国はおおむねこの3点で足並みをそろえつつあります。現在、明確な発行の法的枠組みを持つ主要な国・地域は、次のとおりです。
しかし、多くの国で「発行できるのは、銀行だけ」
ここで見落としてはならないのが、「合法的に発行できる国」と「あなたが発行できる国」は違うという点です。EUのMiCAでは、単一通貨連動のステーブルコインを発行できるのは原則として銀行かEMIだけ。アメリカのGENIUS法も、発行体に高い健全性基準と監督を課しています。制度が整った国ほど、個人や中小のフィンテック企業にとっての参入ハードルは高くなりがちなのです。つまり、世界の多くでは「ステーブルコインは大手のもの」というのが実情です。
「発行できる国」は増えた。
だが「あなたが発行できる国」は、
まだほとんど残っていない。
世界の金融は、いま「セキュリティトークン」へ動き出した
ステーブルコインが決済の主役なら、その先に控える本命がセキュリティトークン(有価証券をブロックチェーン上でトークン化したもの)です。株式・債券・不動産・ファンドといった「本物の資産」を、そのままデジタル化して24時間・小口・国境を越えて売買できるようにする──この分野が、いま急拡大しています。
世界最大級の金融インフラが動き、規制当局がゴーサインを出し始めた──これは一過性のブームではなく、金融市場そのものの配管が入れ替わり始めたサインだと私たちは考えています。数年後、「証券をトークンで持つ」ことが当たり前になったとき、その発行・運用の土台を持つ側と、持たない側の差は大きくなるはずです。
ジョージアが開けた「個人でも通れる扉」
この大きな流れの入口として、いま注目したいのがジョージアです。ジョージアは2023年に暗号資産事業者(VASP)の登録制度を導入し、2026年3月6日、国立銀行(NBG)がステーブルコイン発行に関する規則(Order No.52/04)を制定しました。この規則は米GENIUS法・EU MiCA・ドバイVARAを参照しつつ、要件はそれら3つのいずれよりも軽いのが特徴で、中小フィンテックでも参入しやすい設計になっています。実際、Tetherはラリ連動の「GEL₮」を発行し、ジョージアの制度を「地域で最も先進的」と評価しました。
重要なのは、ジョージアが「規制がない国」ではなく「規制があるのにハードルが低い国」だという点です。世界には無規制の場所もありますが、そこで発行しても銀行や取引先の信用を得られません。ジョージアは、中央銀行の監督という「信用」と、民間でも通れる「軽さ」を両立させている──だからこそ、これから発行体になりたい個人・企業にとって現実的な選択肢になり得るのです。
なぜ、これが日本人投資家に関係するのか
円安が続き、円建て資産だけに依存するリスクは年々高まっています。ステーブルコインとセキュリティトークンの潮流は、単なる暗号資産の話ではなく、「円の外に、自分の資産と事業の足場を持つ」という、資産分散のもう一つの入口です。海外口座や海外法人と同じように、トークンの発行・運用ライセンスもまた、円一極集中から降りるための具体的な手段になり得ます。「次の金融の中心」が形になる前に土台を押さえておくことは、数年後に振り返ったとき大きな差になるかもしれません。
ジョージアで「日本語」で伴走できるのは、弊社だけ
ただし、ジョージアでVASP登録やステーブルコイン発行ライセンスを取得するには、現地の会社設立・実体要件・AML体制の構築・NBGへの申請・継続的な報告義務まで、専門的な手続きが数多く伴います。言語と制度の壁を、個人で乗り越えるのは容易ではありません。
弊社Meti Lux Partnersは、ジョージアで唯一、日本語で対応する会計事務所として、法人設立から銀行口座、そしてこうした新しいライセンス取得まで一貫して伴走できる体制を持っています。「まず何から始めればいいのか」という段階からで構いません。世界の金融が入れ替わろうとしている今、その入口に立つための最初の一歩を、日本語で、隣で支えます。
⚠ ご注意:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資・暗号資産・ライセンス取得を推奨・勧誘するものではありません。ステーブルコイン発行やトークン化事業には、規制変更・準備資産・流動性・カウンターパーティ等のリスクが伴います。各国の制度は流動的で、税務・法務の取扱いは個別事情により異なります。実行にあたっては必ず最新の一次情報と有資格の専門家をご確認のうえ、ご自身の判断でお願いいたします。
💡 投資家の視点:勝負どころは「発行できるかどうか」ではなく「信用を保ったまま、低コストで入れるかどうか」です。無規制の安さには信用が伴わず、規制先進国の信用には高い壁が伴う。ジョージアはその中間で、中央銀行の監督という信用と、民間でも通れる軽さを両立させています。次の金融が形になる前に、円の外へ「発行体としての足場」を一つ持っておく──そんな選択肢が、いま現実的なコストで存在します。
関連動画
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出典・参考
・National Bank of Georgia, Order No.52/04(2026年3月6日, ステーブルコイン発行規則)
・pbservices.ge「What You Need to Know about Georgia’s New Stablecoin Law」(2026年5月)
・Polaris Corporate Services「Georgia Crypto Licence: VASP Rules 2026」
・Bitcoin Foundation「Tether and Georgia Launch Stablecoin GEL₮ Pegged to Lari」(2026年5月)
・BVNK「Global stablecoin regulations 2026」/Spark「Stablecoin Regulation Worldwide」(2026年)
・RWA.xyz/Standard Chartered(トークン化資産残高, 2026年6月)
・SQ Magazine「Asset Tokenization Statistics 2026」/Cryptonomist(DTCC・ナスダック動向, 2026年7月)
・Business Research Insights「Security Token Market」/Deloitte(市場予測)
