Vol.1873:ジョージア経済、史上初のGDP1,000億ラリ突破──成長率7.8%、Moody’s格上げ、空港大拡張。”コーカサスの優等生”が止まりません。

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

MLP DAILY COLUMN|Vol.1873

ジョージア経済、史上初のGDP1,000億ラリ突破──
成長率7.8%、Moody’s格上げ、空港大拡張。
“コーカサスの優等生”が止まりません。

配信日 2026年7月14日(火)
カテゴリ ジョージア/地域別経済情報
こんな方へ 海外分散を検討中の方、ジョージア銀行口座・法人設立に興味がある方

本日は、弊社がトビリシに拠点を置くジョージアの話題です。実は先月末、ジョージア経済にとって歴史的なニュースが飛び込んできました。

2025年のGDPが、史上初めて1,000億ラリの大台を突破したのです。

「2025年のジョージア経済は1,046億ラリ(約381億ドル)に到達。2020年の160億ドルから、わずか5年で2倍以上に拡大しました」

── コバヒゼ首相・議会年次演説(2026年6月26日)より

数字で見る「1,000億ラリ」のインパクト

1,000億ラリと言われてもピンと来ないかもしれません。そこで、時系列で並べてみます。

名目GDP(ラリ建て) ドル換算
2012年 280億ラリ未満
2020年 500億ラリ未満 約160億ドル
2025年 1,046億ラリ(史上初の大台突破) 約381億ドル

つまり、ラリ建てで5年で2倍、ドル建てでは2.4倍です。ドル建ての伸びのほうが大きい理由は、通貨ラリが安定・上昇基調を保っているから。「新興国=通貨安で目減り」という常識が、ここでは当てはまりません。過去5年の平均成長率は年9.3%。日本の実質成長率が1%前後で推移していることを考えると、その差は歴然です。

2026年も勢いは衰えず──1〜5月で7.8%成長

「2025年がピークだったのでは?」という声もありそうですが、直近のデータはむしろ逆を示しています。

指標(2026年) 数値
第1四半期 成長率 +9.1%(3月単月は+10.7%)
5月 成長率 +6.4%
1〜5月 年初来成長率 +7.8%
上半期 輸出額 38.8億ドル(前年比+20.1%
経常赤字(Q1) 史上最低水準まで縮小(中銀発表)

注目すべきは中身の変化です。地元投資銀行TBC Capitalの分析によれば、これまで消費と観光が牽引してきたジョージア経済は、今年から「輸出主導」へと構造転換しつつあります。中東情勢の混乱で観光には逆風が吹いたにもかかわらず、商品輸出の加速がそれを補って余りある成長を叩き出しました。同社は2026年通年の成長予測を6.1%から7.4%へ上方修正しています。

Moody’sが格付け見通しを「安定」へ引き上げ

この勢いは格付け会社も認めています。Moody’sは今月、ジョージアの格付け見通しを「ネガティブ」から「安定」へ引き上げました(格付けはBa2を維持)。理由は「地政学的な課題の中でも際立つ、経済・財政のレジリエンス(強靭性)」。

さらに象徴的なのが、昨日7月13日に発表されたばかりのニュースです。パリ空港を運営する仏航空大手Groupe ADP(TAV Georgia)が、トビリシ国際空港の大規模拡張に1億5,000万ドル超を投資することが決定しました。ジョージアの航空セクターは現在、85社の航空会社が125都市に就航する過去最高水準。年間旅客数は850万人の大台を突破しています。

世界の空港運営のプロが、27カ国の展開先の中で「ジョージアが成長を牽引している」と明言して自己資金を投じる──これほど分かりやすい「国への信任投票」はありません。

⚠ 注意点
もちろんリスクがないわけではありません。国内政治を巡るEUとの緊張関係は続いており、インフレ率も足元でやや上振れ傾向(TBC Capitalは年末予測を6.0%へ上方修正)です。また高成長の一部はロシア関連の迂回貿易や再輸出という「一時的要因」を含む点も、国際機関から指摘されています。投資判断の際は、こうした構造要因を割り引いて見る冷静さが必要です。

なぜ日本の投資家がジョージアを見るべきなのか

ここで少し引いて考えてみましょう。いま日本では、ドル円が約40年ぶりの162円台に突入し、円建て資産の実質的な目減りが続いています。一方のジョージアは──

経済規模は5年で2倍。通貨は安定。IMFの試算では、2024〜2026年の1人あたり実質GDP成長率は世界2位(1位は産油国ガイアナ)。法人税は「エストニア型」の分配時課税で、利益を再投資する限り実質0%。そして個人の銀行口座は、非居住者でも開設可能です。

💡 投資家インサイト
「成長する国の通貨・資産を、成長が価格に完全に織り込まれる前に持つ」──これが新興国投資の基本です。ジョージアはGDP1,000億ラリ突破という節目を迎えましたが、1人あたりGDPはまだ先進国の入り口。つまり「実績が証明され始めたのに、まだ割安」という最も美味しいフェーズにあります。ラリ建て定期預金の金利水準、不動産利回り、法人設立コストのいずれを取っても、日本円だけに資産を置いておくことの機会損失は年々大きくなっています。

弊社はトビリシに現地拠点を構え、ジョージア最大手民間銀行の口座開設サポートジョージア法人設立サポートを日本語でワンストップ提供しています。「まず話だけ聞いてみたい」という方は、公式LINEからお気軽にご連絡ください。

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【出典・参考】

・ジョージア首相 議会年次演説(2026年6月26日)/Business Insider Georgia
・ジョージア国家統計局(Geostat)2026年5月速報・上半期貿易統計
・ジョージア国立銀行(NBG)2026年Q1国際収支
・Moody’s 格付けアクション(2026年7月)
・TBC Capital「Georgia 2026 Growth Forecast Update」
・IMF World Economic Outlook Database

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