
「163円の壁」は、あっさり崩れました。ドル円は一時163.98円まで上昇し、約40年ぶりの164円台が目前です。しかも来週(7/27〜31)は、米FOMCと日銀の金融政策決定会合が同じ週に重なる“ダブル会合ウィーク”。加えて政府・日銀による為替介入への警戒も最高潮です。円安はどこまで進むのか──そして私たち日本人投資家は、この局面で何をすべきなのか。整理していきます。
目次
「163円の壁」は、なぜあっさり崩れたのか
つい先日まで、163.00円という節目は明確な天井(レジスタンス)として意識されていました。ところが相場はこれを軽々と上抜け、いまや約40年ぶり──1986年12月以来の高値圏で推移しています。「壁」だと思われていたものは、もう壁ではなくなりました。
背景にあるのは、複数の円安要因が同時に押し寄せていることです。
来週が正念場──FOMC・日銀・介入の「3点セット」
7月27〜31日は、円相場にとって極めて重要な一週間になります。注目点は3つです。
介入は「時間稼ぎ」であって、
円安を生む構造そのものは変えられません。
介入で一時的に戻っても、根っこは変わらない
仮に介入が入れば、ドル円は数円単位で急落するかもしれません。しかし過去を振り返れば、介入はあくまで“スピード調整”であり、円安の根本原因──金利差・貿易赤字・財政不安──が解消されない限り、時間が経てば再び円安方向に押し戻される展開が繰り返されてきました。「介入があったから安心」ではなく、「介入で戻ったところは、むしろ準備のチャンス」と捉える視点が重要です。
見落とされがちな事実──円安の当事者は、私たち自身かもしれない
もう一つ、静かに進んでいる構造的な円売り要因があります。新NISAを通じた海外資産への投資です。多くの日本人が円を売って米国株や海外ファンドを買う――この継続的なフローが、実は円安を後押しする構造要因の一つになっていると指摘されています。
皮肉な話ですが、「円安が不安だから海外に投資する」という動き自体が、さらなる円安を生む。だとすれば、遅れて動くほど不利なレートで外貨を買うことになります。1ドル110円時代と比べれば、円の対ドル購買力はすでに3割以上も失われています。円100%で資産を持つことは、もはや「安全」ではなく「一つの通貨に全額を賭けている」状態なのです。
164円時代の資産防衛──通貨分散の実務
大切なのは、為替の短期予想を当てにいくことではありません。介入で戻っても、165円へ突き抜けても、どちらでも困らないように「円と外貨の両方に足場を持つ」こと。具体的な選択肢は次の通りです。
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参考・出典
- 外為どっとコム マネ育チャンネル「ドル円週間見通し/日次FXレポート」(2026年7月)
- みんかぶFX/為替「NY為替・これからの見通し」(2026年7月)
- Investing.com(Fisco)為替市場ポイント(2026年7月)
- 野村證券 ウェルスタイル「2026年末の米ドル円見通し」
- 各社報道:中東情勢・原油高・為替介入警戒・新NISA関連(2026年7月)
