Vol.1816:中東情勢の激変と投資戦略 ── ドバイ・エジプト・日本をどう見るか

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

現在、Meti Lux Partners(メティラックスパートナーズ)のエジプトオフィスでは、下記のサービスを提供をしており

・法人の登記
・銀行口座開設サポート
・エジプトの株式、国債の投資サポート
・移住サポート
・不動産の仲介、賃貸管理


特に『エジプト不動産の分割支払い×短期国債』の組み合わせは、多くの投資家様に大人気の投資スキームとなっております。

安全の象徴

2026年2月末、米国・イスラエルによるイラン攻撃とその報復が中東全域を揺るがしています。かつて「安全の象徴」とされたドバイが実際にミサイル攻撃を受けるという事態は、中東投資のリスク認識を根本から問い直す出来事となりました。こうした情勢を踏まえ、本稿では弊社の現時点における投資判断の考え方を整理いたします。

ドバイ ── 紛争終結まで新規投資は見送り

結論から申し上げると、ドバイへの新規投資は紛争が終結するまでストップすべきと判断しています。

ドバイ国際空港やブルジュ・アル・アラブといった象徴的な民間インフラにまで被害が及んでいる現状において、今後の紛争の展開を正確に予測することは、一般的な投資家がアクセスできる情報の範囲では極めて困難です。軍事作戦が数週間単位で継続する可能性も指摘されるなか、万が一ドバイが本格的な戦場へと転じるリスクを考慮すれば、現段階での判断保留こそが最も合理的な選択といえます。

エジプト ── 直接的リスクは限定的、ただし油断は禁物

エジプトに目を転じると、現時点ではアメリカの軍事拠点も存在せず、紛争に直接巻き込まれている状況にはありません。したがって、ドバイほどの即時的リスクはないと判断しています。

しかしながら、ここで一つ重要な教訓を想起すべきです。これまで安全性が高いと広く信じられていたドバイでさえ紛争に巻き込まれたという事実は、世界の地政学的リスクと完全に無縁でいられる場所は存在しないことを世界に示しました。つまり、世界中どの国においても、戦争に巻き込まれるリスクがあると言うことを投資家は頭に入れておかなければなりません。

なお、こうした地政学リスクの波及可能性は日本においても台湾有事が波及するシナリオは現実的な想定として議論されており、地理的安全性への過信は禁物です。

資産クラスによる戦略の使い分け ── 不動産は慎重に、国債は有効

ここで重要なのは、「エジプト投資」を一括りにせず、資産クラスごとにリスクとリターンを精査する視点です。

不動産投資については慎重な姿勢が求められます。不動産は本質的に流動性が低く、有事の際に迅速な撤退が難しい資産です。地政学リスクが顕在化した場合、損失の確定に長い時間を要する可能性があります。

一方、エジプト国債については、現時点で非常に有効な投資対象と考えています。その理由は二つあります。第一に、中東情勢の緊迫化に伴うリスク回避の動きのなかで、紛争当事国以外への資金流入が発生しており、エジプト国債のデフォルトリスクはむしろ低下傾向にあります。第二に、上場債券であることから市場での流動性が高く、仮にリスクが高まった局面でも、機動的なポジション調整が可能です。

まとめ ── 冷静な分析と機動的な判断を

中東情勢が大きく変動するなか、投資家に求められるのは、感情的な反応ではなく、冷静なリスク評価に基づく判断です。紛争の直接的影響下にあるドバイへの新規投資は見送りつつ、エジプトのように相対的にリスクの低い市場では、資産クラスの特性を踏まえた選別投資が有効と考えます。

引き続き情勢の推移を注視し、状況の変化に応じて柔軟に方針を見直してまいります。


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