Vol.1772:暗号通貨の出口問題とROMAが示す現実解

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

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暗号通貨の両替がいつもネックに

暗号通貨が良いのか、悪いのか。暗号通貨に未来があるのか、ないのか。この議論は、これまで何度も繰り返されてきましたし、今後も続いていくでしょう。

しかし、現在の暗号通貨が抱える最大の問題点は、そうした是非論以前に、

「暗号通貨=マネーロンダリング」というレッテルが、金融業界の中で完全に定着してしまっていることにあります。

これは、過去に何度もYouTubeやブログでもお伝えしてきた内容ですが、近年の金融業界は、もはや「過剰反応」と言ってもいいレベルで、マネーロンダリング対策に神経質になっています。

実際に、

「A国にある自分名義の口座から、B国にある自分名義の口座へ送金する」

それだけで送金がストップしたり、最悪の場合、口座がロックされるケースも珍しくありません。

正直なところ

「マネーロンダリングって何だったっけ?自分の口座から自分の口座へ送金するだけで、マネーロンダリングなの?」

と感じてしまうレベルです。

このような状況下では、暗号通貨を法定通貨に換金し、銀行口座へ入金する行為そのものが、極めて高リスクな行動になっています。

特に、金額が大きくなればなるほど、その確率は跳ね上がり、高確率で銀行口座はロックされます。そして、銀行から必ず求められるのが「資金源の証明(Source of Funds)」です。

具体的には、以下のような内容を詳細に説明・証明する必要があります。

① 暗号通貨を「どこで」「いつ」「いくらで」購入したのか
② その購入資金は、どのような性質の資金だったのか
③ 暗号通貨をどの経路で送金し、どのようにして法定通貨へ両替したのか

問題はここからです。

多くの人は、

「将来、銀行からここまで厳密な証明を求められる」

という前提で、暗号通貨を保有していません。

そのため、

  • 取引履歴が残っていない
  • 購入当時の証拠資料が揃わない
  • 資金の流れを論理的に説明できない

といった状況に陥り、結果として資金は凍結され、動かせなくなるのです。暗号通貨そのものが問題なのではありません。問題なのは、暗号通貨と法定通貨をつなぐ「出口」が、現在の金融規制の中で極端に狭くなっているという現実です。

そして、この「出口問題」こそが、今の暗号通貨が直面している最大の課題だと言えるでしょう。

ROMAとは?

こうした厳しい状況の中で、ドバイにおいて新たに本格稼働したサービスが ROMA です。ROMAは、UAEにおける仮想資産と法定通貨をつなぐ、極めて重要なインフラとして位置付けられています。

サービス内容と仕組み:

  1. Romaとは: ドバイの仮想資産規制当局(VARA)から認可を受けた機関で、Binanceと提携し、UAE国内の銀行振込(AED)を仲介します。
  2. 購入方法: Binanceで「Buy Crypto」からAED(ディルハム)を選択し、銀行振込(Bank Transfer)でRomaの指定口座に送金すると、USDT/USDCがBinanceアカウントにクレジットされます。
  3. 売却方法: 貯まったUSDT/USDCをAEDに換金し、銀行口座に直接引き出すことも可能で、完全な法定通貨フローを実現します。
  4. メリット: ドバイ・UAEのユーザーは、規制下で安全かつ迅速に(多くは30分以内)法定通貨(AED)での入出金ができ、取引の利便性が向上します。 

この「Binance Dubai Roma」は、特にUAE在住のユーザーがフィアット(法定通貨)と仮想通貨(USDT/USDC)をスムーズにやり取りするための、規制に準拠した重要なゲートウェイとなっています。

UAE在住の人、限定のサービスですが(そのため、エミレーツIDが必須ですし、UAEの銀行口座も必要です。)高額な両替(10万ドルオーバー)も、スムーズに完了し、平日の昼間であれば、例え、10万ドル以上の高額両替であったとしても、30分以内で銀行口座へ着金をする仕組みになっています。

ROMAの起動によって、高額両替が以前よりもスムーズになったことは間違いありません。しかし、最終的なボトルネックは銀行側の対応です。BinanceもROMAもVARAの認可を受けており、違法性は一切ありません。むしろ、ドバイ政府のお墨付きを得た存在だと言ってもよいでしょう。

それでもなお、

「ドバイ政府がUAEの銀行に対して、ROMAをどこまで許容するよう指針を出しているのか」

この点によって、銀行ごとの対応には大きな差が生まれています。マネーロンダリング対策が重要であることは理解できます。しかし、実際には犯罪行為を行っていない利用者が大多数です。

わずか1%の犯罪者を取り締まるために、99%の正当な利用者が不便を強いられる金融システムには、そろそろ終止符を打つべき時期に来ているのではないでしょうか。

ROMAのような仕組みが、「規制」と「利便性」の現実的な落とし所として、今後さらに成熟していくことを期待したいところです。


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