Vol.1756:エジプト失業率が歴史的低水準へ!急拡大する製造業が牽引する新成長局面!

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

現在、Meti Lux Partners(メティラックスパートナーズ)のエジプトオフィスでは、下記のサービスを提供をしており

・法人の登記
・銀行口座開設サポート
・エジプトの株式、国債の投資サポート
・移住サポート
・不動産の仲介、賃貸管理


特に『エジプト不動産の分割支払い×短期国債』の組み合わせは、多くの投資家様に大人気の投資スキームとなっております。

エジプトの失業率が最低水準に

おそらく、現在のエジプトの失業率は“戦後最低水準”にあります。下記は失業率の推移を示したグラフです。

引用:trading economicsより



直近の失業率は 6.4%

なぜ『おそらく戦後最低』と表現しているかと言えば、戦後〜1980年代までの正確なデータが残っていないためです。ただ、1990年代以降〜コロナ前までの統計を見る限り、最も失業率が低かった時期でも 9%台。

そう考えると、現在の 『6.4%』 という数字は、過去と比較しても明らかに歴史的な低さであり、『戦後最低水準』と考えるのが自然です。

そして、この低失業率を支えている大きな要因が『製造業の急拡大』です。

毎年拡大する製造業

エジプトでは、ここ数年で 製造業向けの投資額が異常なペースで増加しています。

実際の数字を並べると、その勢いがよく分かります。

【直近の製造業向け投資額】

  • 2022/23年(22年7月〜23年6月):約 840億EGP
  • 2023/24年(23年7月〜24年6月):約 995億EGP
  • 2024/25年(24年7月〜25年6月):約 2,076億EGP
  • 2025/26年(25年7月〜26年6月):約 2,528億EGP(計画)

特に本年度(2025/26年)の計画額 2,528億EGP は、

現在の為替レートで 約54億ドル、日本円にすると 約8,400億円規模 に相当します。

「売買ゲーム」というほどではありませんが、毎年これだけの資金が製造業に流れ込んでいるのは、まさに異例と言えます。

しかも、この投資には 民間からの資金 だけでなく、政府による大規模な投資 も含まれています。

そして当然ながら、この投資ラッシュは 雇用の急増 につながっています。

公式には「2022年以降に製造業で新たに何人雇用が創出されたか」という全国トータルの発表はありません。しかし、CAPMAS(統計庁)や政府報告にある製造業就業者の推移を基に逆算すると、

2022年〜現在までの“製造業の雇用純増”は、概ね 35〜45万人程度

と推定されています。

投資が拡大し、生産能力が増え、その分だけ雇用が増える

エジプトの製造業は、いままさに“成長の波”の真っ只中にあります。

まとめ

結論から言うと

エジプトに『何の産業もない』とは、もはや全く言えません。むしろ『これから製造業国家へ急伸していく段階』に入っています。

以下、いただいた数字を踏まえて整理します。


現在:製造業就業者 約400万人

すでに 400万人=全就業者の約13〜14%程度 が製造業で働いている計算です。
アフリカ諸国の中では突出した規模で、製造系でここまでの就業者を抱えている国は多くありません。


政府目標:2030年までに800万人

これは単に『倍にする』という話ではなく

  • 巨大な工業団地の整備
  • 外国企業の誘致加速
  • 政府系ファンドからの製造業投資
  • 中東湾岸(UAE・サウジ・カタール)資本の流入

など、国家戦略として『製造業国家』への転換を掲げている証拠です。


2030年時点の全就業者数比率

2024年:就業者数 2,992万人
2030年:推計では 3,200〜3,500万人程度

このラインで計算すると:

  • 800万人 ÷ 3,200万人=25%
  • 800万人 ÷ 3,500万人=22%

つまり、製造業がエジプト経済の中核(2割以上)を占める産業になるということです。

これは

「製造業が国の柱」 と言えるレベルの数値です。


なぜ「エジプトには産業がない」という誤解が生まれるのか?

多くの人がエジプト=観光・農業のイメージで止まっています。

しかし実態としては:

  • 家電・電気製品(特に冷蔵庫・洗濯機)
  • 医薬品
  • 衣料品・繊維
  • 建材
  • 化学製品
  • 自動車組立(特に中国系とのJVが急増)

など、既に多様な製造セクターが稼働しており、投資額は年々『爆増中』です。

投資額の推移:

  • 2022/23:840億EGP
  • 2023/24:995億EGP
  • 2024/25:2,076億EGP
  • 2025/26:2,528億EGP(計画)

これは 『投資額がわずか3年で3倍に増えている』という異常な伸び方です。


結論

この数字を見ても、まだエジプトには何の産業もない!!と言えますか?

完全に「言えません」。むしろ逆で、産業が形成され始め、国家レベルで製造業へ全振りしている途中です。

日本が高度成長期に入る直前の1970年代と非常に構造が似ています。

こういう国は、『産業がない』のではなく産業が生まれてくる直前の国です。


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