Vol.1751:エジプトが進める国家デジタルID「Haweya」誕生と加速する管理社会への向き合い方

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

現在、Meti Lux Partners(メティラックスパートナーズ)のエジプトオフィスでは、下記のサービスを提供をしており

・法人の登記
・銀行口座開設サポート
・エジプトの株式、国債の投資サポート
・移住サポート
・不動産の仲介、賃貸管理


特に『エジプト不動産の分割支払い×短期国債』の組み合わせは、多くの投資家様に大人気の投資スキームとなっております。

Haweyaとは?

現在、エジプト中央銀行が主導し、国家レベルの新たなデジタル基盤となるプラットフォームの開発が進められています。その名称が 「Haweya(هوية)」 です。

「Haweya」はアラビア語で「アイデンティティ(身分)」を意味します。その名の通り、本プロジェクトは国家デジタル・アイデンティティ・プラットフォームとして、国民一人ひとりに デジタル身分証(デジタルID) を付与し、行政・金融をはじめとする各種手続きのデジタル化・効率化を目的としています。

日本で例えるならマイナンバー制度、ドバイであればエミレーツIDに近い位置づけです。国家が一元的に管理するデジタルIDが整備されることで、行政手続きの簡素化、金融サービスの高度化、個人認証の利便性向上など、多方面でのデジタルトランスフォーメーションが期待されています。

HP:https://haweya.eg/

Haweyaが目指す未来

Haweya が目指す未来と役割とは?

Haweya プロジェクトが目指すのは、国民のデジタル・アイデンティティを基盤とした シームレスなデジタル社会の実現 です。

具体的には、これまで「物理的な書類提出」や「支店・窓口への訪問」が必須だった手続きを、スマートフォンやオンラインで完結できるようにすることを目的としています。

主な対象分野には次のようなものがあります。

  • 銀行口座の開設
  • 本人確認(KYC/eKYC)
  • モバイル回線契約
  • 各種政府サービスの利用

これらの場面でデジタルIDが正式な本人確認手段として利用可能になれば、銀行・金融機関、通信事業者、行政機関などは、

「口座開設」「契約・申請」「書類提出の不要化」 を一気にデジタル化することができます。

利用者の立場から見れば、手続きが大幅に簡素化され、利便性が向上することは間違いありません。


一方で生じる懸念点

利便性向上の裏側で、多くの国で共通して指摘される懸念も存在します。

  • 政府による情報の監視や過度な管理への不安
  • 個人情報流出への懸念

こうした指摘は、デジタルIDを導入するあらゆる国で必ず議論されるテーマであり、プライバシー保護や情報セキュリティに対する透明性の確保が不可欠となります。

まとめ

多くの国で共通して見られるように、デジタルIDの導入に対しては「監視社会への懸念」を理由に反対の声が上がります。しかし、現実として世界の潮流は 「デジタルID化」へ確実に進んでおり、各国政府は利便性・効率性・統治機能の強化を目的に、その導入を推し進めています。結果として、国民からの反対意見があっても制度化が進む傾向にあります。

「監視される社会は嫌だ」という意見は理解できます。

一方で、すでにデジタルIDが完全に実装されているドバイでビジネスをしている立場からすると、デジタルIDがもたらす利便性やスピード感は非常に大きいのも事実です。行政手続き、金融取引、企業活動など、あらゆる場面で効率化が進み、その恩恵を実感しています。

もはやデジタルIDという潮流は止まらない以上、発想を転換する必要があると感じています。

つまり、

「監視されるのは前提。その上でどう資産や情報を守り、どう構築していくか」

という視点に切り替えることです。

現実として、個人名義の資産や契約はすべてデジタルIDに紐づけられ、政府による管理が強化される方向に向かいます。そのため、個人のプライバシーや資産を守りながら柔軟性を確保するためには、手段として次のような選択肢が考えられます。

「国境を越え、タックスヘイブンのような匿名性が確保される法域で法人化(財団化)し、ファミリーオフィスのような形で資産管理を行う」

こうした枠組みを持つことで、国家主導のデジタルID化が進む環境下でも、個人や家族の資産をより戦略的かつ安全に管理する道が開けます。


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