Vol.1659:BVI法人設立ガイド|私募ファンド活用と銀行口座の注意点

〇この記事を読むのに必要な時間は約5分です。

埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

現在、Meti Lux Partners(メティラックスパートナーズ)のタックスヘイブンオフィスでは、下記のサービスを提供をしており

・法人の登記
・銀行口座開設サポート
・会計サポート


法人税率0%、会計処理不要で、株式会社、合同会社、財団法人などの設立が可能となっています。

※アフリカのタックスヘイブン法人の設立はこちら

BVI法人の特徴

タックスヘイブンとしても悪名高い『英領ヴァージン諸島(British Virgin Islands)』ですが、この業界では略して『BVI(ビー、ブイ、アイ)』と表現されるのが一般常識になっています。

このBVIですが、アフリカのタックスヘイブン同様

法人税率:0%
会計義務:年次報告義務なし(帳簿作成は義務ありだが提出不要)


となっており、色々と都合の良い法人となっています。
このBVI、通常の事業法人として活用する人も多いですが、人気なのは『私募ファンド』の設立です。

BVIで私募ファンドを設立

不特定多数の人から投資資金を集める『公募ファンド』はライセンスが必要ですが、『私募ファンド』に関しては、特定の条件は付きますがライセンスは不要となっています。

BVIの私募ファンドの条件は下記の通りです。

ファンド類型投資家要件主な特徴
私募ファンド(Private Fund)最大50人または募集が「私的」登録要件あり、報告義務軽め
専門家ファンド(Professional Fund)各投資家が10万ドル以上の投資 + 専門投資家資格最も一般的な国際私募ファンド
認定ファンド(Approved Fund)投資家最大20名、資産上限1億ドルファミリーオフィスなど小規模運用向け
無認可ファンド(Incubator Fund)投資家最大20名、資産上限2千万ドルテスト運用や短期戦略に最適(2年まで)


ちなみに、これが『ライセンス必要の公募ファンド』となると

管轄当局BVI Financial Services Commission (FSC)
ファンド分類Public Fund(公募型)としてFSCに申請・認可必要
登録義務ライセンス取得前に一切の募集活動は不可
提出書類Offering Document(Prospectus)、運営体制、契約書類など
最低要件管理会社、管理責任者、カストディアン、監査人など全ての専門機関の指定
投資家情報開示リスク、費用構造、償還方法、資産分類、紛争解決などを詳細に記載する必要あり
監査義務年次監査必須(外部のFSC公認監査法人による)
財務報告年次決算報告書(Audited Financial Statements)をFSCに提出義務
レギュレーションSIBA(Securities and Investment Business Act, 2010)の全適用対象


と、言った具合に、金融機関と同じことが要求されるため、これを全て準備しようと思うと、最低でも10万ドル以上のコストが必要になってきます。

その点で『私募ファンド』は、ライセンス不要など楽な所もあるので

『仲間内だけで資金を集める』『自己資金だけで投資をしていく』みたいなケースで簡単に利用されることが多いのがBVIの特徴となっています。

しかし、問題もあります。

銀行口座が簡単に開かない

『私募ファンド』は、昔からマネーロンダリングの隠れ蓑に使われることが多く、度々問題視されてきました。

例えば、下記のケースのようなケースです。

①私募ファンドを設立
②Aさんが私募ファンドに100万ドルを投資
③私募ファンドの配当をBさんに支払い


Bさんはファンドに投資をしていなので、ファンドのリターンを受け取る権利がないのですが、私募ファンドの報告義務が緩いので、それを行う人達がいるわけです。

もちろん、これは『マネーロンダリング』に該当をするので、完全な犯罪行為です!だからこそ、BVIの私募ファンドは『銀行口座開設ができない』と言われているのです。銀行の視点で見れば当然です。マネーロンダリングは銀行にも巨額の罰金が課せられるため、銀行も神経質になります。

しかし、最近はBVIに『私募ファンドに寛容なオンライン銀行』ができており、私募ファンドでも銀行口座が開くようになってきています。

まとめ

私募ファンドを使った『マネーロンダリング』は、犯罪行為なので絶対にダメです!

しかし、合法的な形であれば問題はないわけで、合法な範囲で見ても『BVIの私募ファンド』は使いやすさはあります。

アフリカタックスヘイブンの財団と絡めるスキームとかもありますし、活用方法は色々あり、スキームも様々ですので、ご興味がある方はお気軽にご相談を頂ければと思います。


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