今、若者を中心に人気のアプリ『TikTok』はご存知でしょうか?
参照:TikTok

知らない方は、まずアプリをダウンロードして見てみるのが早いと思います。このアプリを開発したのは日本やアメリカの会社ではなく、中国の企業です。瞬く間に世界中の若者に利用されるようになりましたが、実はこのTikTokは「ジョージア」と「アゼルバイジャン」の若者にも非常に人気があります。
不思議なのは、TikTokの動画が使用しているSIMカードによって変化する点です。日本で発行されたSIMカードでアプリを開くと日本人の動画が多く表示され、ジョージアのSIMカードを使えばジョージア人の動画が中心に表示されます。弊社でもジョージアのSIMカードを利用してみて初めてこの仕組みを知りました。
過去にもジョージアの便利なアプリを紹介しましたが【参照:Vol.0154 ジョージアの便利アプリ】、今回TikTokを取り上げたのは宣伝のためではなく、このようなアプリが使われる“基盤”がジョージアやアゼルバイジャンにすでに整っているという点をお伝えしたいからです。新興国というと「経済的に遅れている」というイメージを持たれがちですが、実際には人々の生活はそうではありません。
現地では多くの人が当たり前のようにスマートフォンを持ち、情報収集や娯楽をすべてスマホで完結させています。そしてTikTokのようなアプリを通じて刺激を受けた若者たちが、「もっと面白いアプリを」と独自のアイデアで起業を始めています。
このような国々は、シンガポールのように今後間違いなく成長していくでしょう。小国が世界の中で存在感を示すためには、高い技術力を要する製造業ではなく、アイデアで勝負できる「IT」と「金融」が重要です。これらの分野が発展することで労働者の所得が上がり、その結果、飲食店などのサービス業にも資金が循環し、経済全体が成長していくのです。

