ジョージアに限った話ではなく、最近弊社が動いているアゼルバイジャン、セルビア、ボスニアヘルツェゴビナ、エストニアなどでも多くの点でシンガポールと似ているところが目立ちます。それはこれらの国々がシンガポールの成功モデルを強く意識し、模倣している点が多いということですが、歴史的な背景も似ていることが多いです。
類似点1は歴史です。シンガポールは1963年にマレーシア連邦として独立し、その後1965年にはマレーシアと分離独立し今の形になりました。ジョージア、アゼルバイジャン、エストニアなどは元々旧ソ連の一部でしたが、旧ソ連崩壊によって独立しました。セルビア、ボスニアヘルツェゴビナも旧ユーゴスラビアという国が分離・統合を繰り返す中で誕生した国々です。つまり、これらは歴史のある古い国ではなく、比較的新しい国だと言えます。
類似点2は税金です。歴史が浅く何も持たない国が生き残るためには世界中の企業を誘致する必要があり、その結果「安い法人税」を用意することになりました。シンガポールの法人税は17%、ジョージアは15%、アゼルバイジャンは20%、セルビアは15%、ボスニアヘルツェゴビナは10%、エストニアは20%です。この安い法人税を目当てに世界中の企業が集まるようになっており、弊社もその一つです。
類似点3は移民政策です。アメリカのように人口が増え続けることは消費を底上げし経済を活性化させます。現在のシンガポールはすでに人が集まったため選別に入っていますが、ジョージア、アゼルバイジャン、セルビア、ボスニアヘルツェゴビナ、エストニアの移民政策のハードルは低く、積極的に人を受け入れる姿勢です。
10年後、20年後の未来を予測するのは難しいですが、過去の歴史を見るのは簡単です。かつて独立直後のシンガポールは本当に何もなかったようですが、安い法人税と低い移民政策のハードルで急速に経済成長しました。歴史的背景も似ているこれらの国々がシンガポールを成功事例と考え、その政策を模倣し国を成長させようとするなら、成功する確率は高いと考えています。なぜなら、その先駆者であるシンガポールが実際に成功しているからです。もちろん時代背景や環境は異なるため、単純に模倣するだけでは上手くいかず、独自のアイデアも必要になりますが、それを踏まえてもジョージア、アゼルバイジャン、セルビア、ボスニアヘルツェゴビナ、エストニアが成功する可能性は高いと思っています。