アメリカの歴史上、初めて国債の発行残高が22兆ドルを突破したとCBS NEWSは報道しました。
とんでもない数字ですが、これはアメリカだけの問題ではありません。世界中の国で見られる傾向です。世界大戦以前の通貨制度は「金本位制」で、1ドル札や1万円札は本物の金と交換できる制度でした。つまり「その国が持つ金の保有量=通貨発行の上限」だったわけですが、世界大戦に入り各国は資金難に陥り、金本位制は廃止され、現在の「中央銀行が無限に紙幣を印刷できる制度」に移行しました。
世界大戦終了から70年以上が経ち、アメリカだけでなくアジアやヨーロッパでも自国経済を豊かにするために通貨を無限に印刷し、社会サービスを提供してきました。その結果、世界中の政府が借金まみれになっているのが今の世界経済です。ただ、こんな状態が未来永劫続くことがあり得るのでしょうか。この問題について私たちはそろそろ真剣に考える時期に来ていると思います。
まだ日本やアメリカのような大国では起きていませんが、小国、例えばベネズエラでは自国経済が崩壊しハイパーインフレが発生しています。以前ならこうした状況では基軸通貨であるアメリカドルに国民の資金が流れていましたが、最近では仮想通貨ビットコインなどに流れるようになっています。世界大戦終了以降続いてきたこの通貨制度と借金の拡大は、すでに小国では持ち堪えられない状態にあります。その波が大国にも押し寄せ、大国も耐えられなくなったとき、通貨制度が変わるのではないかと感じています。
世界大戦中に金本位制から管理通貨制度に移行し、それが政府の借金を膨張させました。そしてその借金に大国が耐えられなくなったとき、借金をリセットし管理通貨制度から仮想通貨制度に切り替わるという可能性は、決してゼロではないと考えています。