世の中に新しい技術が登場したときに重要なのは、「それが人のため、世のためになるかどうか」だと私たちは考えています。そして、その技術が人や社会のためになるのであれば、必ず世の中に残る技術になるとも思っています。
現在の金融システムは20世紀に構築されたものであり、インターネット時代になった今もなお変わっていません。その理由は、そこに大きな既得権益があるからです。そして、その既得権益を打ち壊すことは容易ではありません。しかし、それでもその可能性を秘めているのが、「ブロックチェーンという新しい技術によって生み出された仕組み=暗号資産」だと私たちは考えています。
この点について、まだ実感が湧かない方のために、弊社で行った実験についてご紹介します。暗号資産の一つである「NEM」では、以下のようなことが可能です。
これは、LINEやWhatsAppのようなメッセージアプリと同様に、チャットのやり取りをしながら、NEMの送金や受け取りがスマートフォンのアプリ内で簡単に行えるというものです。世界中どこにいても送金が可能で、着金にかかる時間はわずか数秒から数分、手数料は1ドル以下。しかも、24時間365日送金・着金が可能です。
銀行のように「土日だから着金できない」といった制限もなく、また海外送金でも「数日かかる」「数千円の手数料が必要」といったことは一切ありません。これは、客観的に見ても非常に革新的な仕組みだと思いませんか?
たとえば、週末に「しまった!アメリカにいる子どもに生活費を送るのを忘れていた」と気づいても、その5分後にはアメリカの子どもの口座に、1ドル以下の手数料で生活費を送金できるのです。これが暗号資産の強みです。
そして、このような便利な仕組みは、20世紀の金融システムに縛られている先進国よりも、制度的な縛りの少ない新興国で先に普及していくと予想しています。やがてその新しい波が、先進国が長らく支配してきた古い金融システムを壊していくのではないかと、私たちは感じています。