イギリスのEU離脱が迫っていますが、EUとの交渉が難航している以上、このまま離脱するだろうと考えています。それにより混乱は起こるはずですが、金融危機にはならないと思っています。その理由は以前にも書きましたが(その記事はこちら)、「金融危機が起こる理由はいつも借金問題」であり、今回のイギリスのEU離脱は借金問題ではないため、金融危機には至らないというのが弊社の考えです。
ただし、離脱に関してEUとの様々なことが合意できていない以上、混乱は避けられません。ちなみに昨年12月に金融危機が起こる理由について書いた際、多くのメディアは「アメリカの景気後退で金融危機が起こる」と騒いでいましたが、その時のダウ平均は約22,000ドル、現在は約24,500ドルです。繰り返しますが、「借金問題以外では金融危機は起こらない」と考えています。
イギリスのEU離脱で混乱は避けられませんが、その後イギリスは大きく成長する可能性があると見ています。ポイントは「為替」と「法人税」です。混乱によりおそらくポンド安が進むはずで、それによりイギリス経済は大きな恩恵を受けます。事実、EU離脱の国民投票後にポンド安となり、多くの観光客がイギリスを訪れ、製造業も恩恵を受けました。
また、イギリスは2020年までに法人税を17%まで引き下げる予定です。
これは昨日書かせて頂いた「法人税を安くすることで企業誘致に力を入れる」という政策です。先進国、それもイギリスがこれを実行することは非常に大きなインパクトがあります。同じ法人税率なら、インフラや法制度が整っていない新興国よりも先進国の方が利便性が高いからです。
弊社は、イギリスがEUを離脱した後、混乱の先に待っているのは「通貨安と低法人税によるイギリス経済の大きな成長」だと見ています。