Vol.1679:エジプト・シナイ半島に眠るレアアース資源:世界の供給構造を変える可能性

〇この記事を読むのに必要な時間は約5分です。

埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

拝啓 盛夏の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

このたび、弊社主催にて「資産運用 勉強会」および「会員様向け懇親会」を、東京・大阪にて開催いたします。
新規のお客様を含め、どなたでもご参加いただける内容となっておりますので、ぜひこの機会にご参加賜りますようご案内申し上げます。

■ 募集人数(各会場共通)

  • 勉強会:各回 48名様(新規の方もご参加可能)
  • 懇親会:各回 8名様(※VIP・ゴールド会員様優先)

■ お申込みフォーム
下記フォームよりお申込みをお願いいたします。
:郵送: 2025年7月 オフライン勉強会・懇親会 申込フォーム

  • 懇親会:人数に限りがあるため【7月15日(月)締切】とし、抽選制とさせていただきます(VIP・ゴールド会員様を優先)。
  • 勉強会定員に達し次第、締切とさせていただきます。

勉強会の詳細は※こちら

シナイ半島に眠るレアアース

エジプトのシナイ半島(下記MAPの赤い丸の場所)には


近年の調査報告で『多くのレアアースが埋蔵している』と言われています。

研究チームによれば、このエリアにはプレカンブリア紀の結晶質岩体が広く分布しており、これらの岩体にはしばしばトリウム、ウラン、モナズ石(monazite)、クセノタイム(xenotime)などのレアアースを含む鉱物が含まれていると報告がされています。

しかも、その量は『トン単位』での埋蔵が見込まれるとされており、とんでもない量のレアアースがあるともされております。

世界のレアアース市場は90%以上を中国が支配をしているため、エジプトのシナイ半島は代替供給源の開発として国際的にも関心が高い場所になっています。

そのため、エジプト政府は『Vision 2030』の一環として鉱業部門の成長を掲げており、レアアースも重要鉱物として指定をしています。

なぜまだ開発がされていない??

『レアアースは世界的に見ても需要が高く、シンプルに国益に直結します。(お金になる)』

しかし今だに、このシナイ半島のレアアース開発は未開の地となっています。それはなぜか?いくつかの課題があるからです。

【課題1:インフラ整備の遅れ(道路・水・電力)】
かつてこの場所は、中東戦争になった場所でもあり、過去の治安問題や武装勢力の存在が、外国企業の投資の障壁にもなってきました。今だにエジプト人ですら、入る場所が許されてないエリアがあり治安面の問題から軍が管理もしている場所もあるくらいです。そのため、レアアースの開発をしようにも、先にインフラの整備をしなければ、開発が行えないのです。

【課題2:採掘後の放射性鉱物の処理・環境管理の未整備】
シナイ半島にあるレアアースは『トリウム、ウラン、モナズ石(monazite)、クセノタイム(xenotime)』と呼ばれる物で『放射性物質』を含んでいます。そのため、採掘してすぐ出荷と言うような簡単な物ではありません。安全に採掘するためには『放射性鉱物の処理・環境管理』を先に整備する必要があるのです。

【課題3:採掘・精製技術の国内ノウハウ不足】
インフラ、放射性鉱物の処理・環境管理の未整備が原因なら、そんなもの『とっとと整備したらいいじゃないか!!』と思うかもしれませんが『放射性鉱物の処理・環境管理』をやったことがない国が、そんな物を簡単に整備できるわけはありません。単純に今のエジプトには採掘するための技術とノウハウが圧倒的に不足しているのです。

まとめ

現時点は、エジプトのシナイ半島には

①とんでもない量のレアアースがある
②しかし、開発するにはインフラ整備が必要
③だけど、その技術とノウハウがない


と言うことになり、この問題を解決するには、手っ取り早く、外から資本と技術を持ってくる!!と言うのがあります。

しかし、現エジプト政府はこの動きにはかなり慎重になっています。それはなぜか?

最悪は『シナイ半島を巡ってイスラエルと軍事衝突をする可能性がある!!』からです。エジプト政府が『何があっても絶対に戦争だけはしたくない!!!』と言うスタンスです。しかし、とんでもないお金になると分かっているシナイ半島をエジプトが開発するとなれば『イスラエルがその動きを見て戦争を仕掛けてくる』と言う可能性もあります。

普通に考えれば、めちゃくちゃ話ではあるのですが、エジプトの優先順位はレアアースよりも『戦争はしない』なので(私もこの考えは賛成です)、今後、レアアースを開発していくためには、イスラエル問題をクリアにしていくことが最大の課題になってくると思います。


引き続き、海外の最新情報を追っていきます!また、最新の情報を見逃さないためにもブログの通知情報が届く『MLP公式Line』にお友達登録をお願いします!!

コメント

累計不動産取引数567

海外不動産投資、移住・進出サポート
どんなお悩みでもご相談ください

累計不動産取引数567

海外不動産投資、移住・進出サポート
どんなお悩みでもご相談ください

SNS