Vol.1676:マルタで法人設立するメリットと税金の実態【35%課税でも実効税率5%?】

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Meti Lux Partners 
代表取締役CEO

はじめに

拝啓 盛夏の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

このたび、弊社主催にて「資産運用 勉強会」および「会員様向け懇親会」を、東京・大阪にて開催いたします。
新規のお客様を含め、どなたでもご参加いただける内容となっておりますので、ぜひこの機会にご参加賜りますようご案内申し上げます。

■ 募集人数(各会場共通)

  • 勉強会:各回 48名様(新規の方もご参加可能)
  • 懇親会:各回 8名様(※VIP・ゴールド会員様優先)

■ お申込みフォーム
下記フォームよりお申込みをお願いいたします。
:郵送: 2025年7月 オフライン勉強会・懇親会 申込フォーム

  • 懇親会:人数に限りがあるため【7月15日(月)締切】とし、抽選制とさせていただきます(VIP・ゴールド会員様を優先)。
  • 勉強会定員に達し次第、締切とさせていただきます。

勉強会の詳細は※こちら

マルタの税制

マルタはよく『タックスヘイブン』と表現をされることがありますが、マルタの税金を見てみると

法人税(Corporate Income Tax)

  • 基本税率:35%(欧州で最も高い水準) 
  • 課税範囲
    • マルタに設立された企業は、全世界所得に対して課税される。
    • マルタ外で設立されたが、マルタで管理・支配されている企業も、マルタで得た所得およびマルタに送金された外国所得に対して課税される 。 

個人所得税(Personal Income Tax)

  • 課税体系:累進課税(0%〜35%) 
  • 居住者の課税範囲
    • マルタに居住し、かつ本拠を置く個人は、全世界所得に対して課税される。
    • マルタに居住するが本拠を置かない個人は、マルタで得た所得およびマルタに送金された外国所得に対して課税される。
    • 非居住者は、マルタで得た所得のみに対して課税される 。
  • 特別税率
    • パートタイム労働者は、年間€10,000までの所得に対して10%の固定税率が適用される 

その他の税制上の特典

  • 相続税・贈与税:なし 。
  • 不動産譲渡税:通常8%だが、条件により5%に軽減される場合あり 。
  • 付加価値税(VAT):標準税率は18%、一部の品目に対しては5%、7%、0%の軽減税率が適用される 



となっており、これだけ見てしまえば

・どこがタックスヘイブン???
・むしろ税金はとんでもなく高くない???
・なぜ、マルタで法人を作るの???


と感じてしまうと思います。しかし、それでもこのマルタに法人を作る人が世界中にいると言うことは『裏に何か特殊なルール』、つまりメリットがある何かがある!!と言うことです。

税還付制度(tax refund system)

マルタの法人税制度では、外国人株主(個人・法人を問わず)に対する配当金に関連した「税還付制度(tax refund system)」が非常に大きな特徴です。この制度は、マルタに設立された法人が配当を行った際に、株主が法人税の一部を還付申請できる仕組みです。以下、特に外国人・外国法人の視点から詳しく解説します。

基本的な仕組み:外国人も還付対象

所得の種類還付率実効税率
一般的な事業所得6/7(85.71%)約5%
受動的所得(利子・ロイヤルティ等)5/7(71.43%)約10%
キャピタルゲインなど一部所得2/3(66.67%)約12%
外国税額控除が利用されている場合2/3通常10〜12%程度



還付の流れ(外国人株主の場合)

以下は、マルタ法人が外国株主に配当を出す際の税還付プロセスです。

ステップ 1:マルタ法人が35%の法人税を納付
・例えば €100 の利益 → €35 の税金 → 純利益 €65

ステップ 2:株主に配当(例:€65)を支払う
・この際、源泉税は課されません(重要ポイント)

ステップ 3:株主がマルタ税務当局(CFR)に還付申請
・法人が納税後、株主は税務番号を取得し、還付申請書類を提出
・還付対象:€35のうち 6/7 = €30
・実質的な税負担:€35 – €30 = €5(5%)

還付はキャッシュで銀行口座に振り込まれます(通常は3〜6ヶ月程度)

まとめ

簡単に言えば、マルタは世界中でビジネスをするための『ハブ』になっていると言うことです。

税還付制度以外にも『持株会社制度(Holding Company Regime)』と言う制度もあり、これはマルタのホールディング会社は、以下の税務上の優遇を受けられる形になっています。

配当所得やキャピタルゲインは非課税(一定要件を満たす場合
・海外子会社からの配当受取も、マルタでは課税対象外(Participation Exemption)

つまり、世界中の企業はマルタに会社を作り、そこで全世界でビジネスをしたり、もしくは世界中の子会社から配当金などを受け取ったりします。

一旦は、利益に対しては『35%の法人税』を支払うことで『課税逃れはしてない!!』アピールをしておきながら、後から、マルタ法人の株主が、直接マルタ政府に申請を行い、支払った法人税の6/7を還付金してもらうと言う仕組みです!!

普通に考えたらおかしな話だと思いませんか?

支払った法人税のほとんどが、株主へ還付されるなんてのは。普通に考えれば、還付されるのは法人税を支払った法人では??

しかしそれが、EUを含めたマルタ政府が『合法!!』と言う形にしているので、この仕組みは『違法性はない!!』と言う形になるのです。

弊社では、このような世界中の仕組みを活用し『タックスプランニング』を行なっていますので、タックスプランニングに興味のある方はお気軽に、個別面談のお申し込みを頂ければと思います。

個別面談のお申し込みはこちら


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